死亡事故の裁判において遺族固有の慰謝料を含む約5686万円で和解となった事例

• 2023/11/09
• 2024/01/26

主な損害項目	金額
家事労働逸失利益	約2142万円
年金逸失利益	約672万円
死亡慰謝料	約2200万円
遺族固有の慰謝料	約200万円※
葬祭費	約98万円
最終支払額	約5686万円

※相続人1名あたりの金額

相談・依頼のきっかけ

当時60代の福岡市在住の女性が、信号機による交通整理の行われている交差点において、歩行者用信号青色で横断歩道を渡っていたところ、交差点に左折進入してきた車両と衝突するという事故にあってしまいました。

被害者は、外傷性くも膜下出血、横隔膜損傷、骨盤輪骨折等、全身に痛ましい傷害を負いました。

緊急搬送された病院で、懸命な心肺蘇生が施されましたが、亡くなられました。

ご遺族の事故によるショックは大きく、相手方と話すことが相当な負担に感じられており、その後の対応等をお願いしたいとのことで弊所にご相談いただきました。

当事務所の活動

弊所にご相談いただいたのは被害者がお亡くなりになられて1週間が経過しようとしていた頃でした。

ご家族の方々は、突然家族を失った悲しみに暮れるなか、手続きに必要な戸籍の取得や、葬儀関係費用などの高額な支出が必要になり、苦しい生活を強いられることが予想されました。

ご依頼を受けた後はすぐに相手保険会社との連絡窓口を弊所とし、葬儀関係費用・当面の生活費として100万円を支払うように交渉しました。

ご遺族のご協力を得て、損害額の計算に必要な資料を収集して、損害額の計算を行いました。

交渉準備段階での相手方保険会社の対応に誠意が感じられず、死亡という結果も重大であったため、ご遺族と相談の上、示談交渉を行うことなく、裁判を提起をしました。

当事務所が関与した結果

裁判における主な争点は、死亡逸失利益、慰謝料でした。

死亡事故の場合、事故がなければ将来にわたって得られるはずだった収入や受給できたはずの年金が賠償されます。これを死亡逸失利益といいます。

被害者は、高齢ではありましたが、仕事を掛け持ちするなど家計を支えながら、家事の一切を担っていた他、親戚や友人の手伝いなども精力的に行っていました。

裁判では、家事労働に関する逸失利益について、ご遺族のみならず、被害者の親戚や友人などから話を聞き、逸失利益の基礎収入について、高齢であったことを理由に年齢別女性平均賃金に減額するのではなく、全年齢女性平均賃金で認定されるべきだと主張・交渉をしました。

また、慰謝料についても、被害者本人の慰謝料とご家族の慰謝料それぞれについて適正額が賠償されるように主張・交渉を行いました。

裁判所から提示された和解案では、家事労働逸失利益について、一家の支柱であったことが認められ、全年齢女性平均賃金で認定されました。

慰謝料についても適正な金額で和解案が示されたことから、ご遺族と相談の上、判決には進まず、和解で解決することとしました。

弁護士の所感（解決のポイント）

今回のような死亡事故の場合、ご家族の方々は、事故直後から葬儀等の対応に追われると同時に、相手保険会社からの連絡にも対応しなければなりません。

相手保険会社から提出を要求される書類もとても多く、専門的な話も多く出てきますので、突然の事故によって精神的にもつらい状況のなかで各方面への対応をすることは、ご家族の皆様にとても大きな負担になるものと思われます。

このような時に弁護士にご依頼いただければ、相手保険会社への対応は全て弁護士が行うことができますので、精神的にもご負担の軽減になるものと思われます。

また、逸失利益の算定方法やご本人やご家族の慰謝料、過失割合の有無や程度については、専門家である弁護士にご依頼いただくことで交渉を有利に進め、適正な賠償を受けることができます。

死亡事故のように、損害額が大きくなる事案であればなおさら、弁護士の介入があるとないとでは、保険会社から支払われる賠償金額の差額は大きくなります。

賠償金が大きい場合には、適正賠償金獲得のために裁判手続に進むケースも多くなりますので、より弁護士に依頼するメリットは大きいと考えます。

たくみ法律事務所では、多くの死亡事故のご遺族の方々をサポートさせていただいた実績がございます。被害に遭われたご家族の方がいらっしゃいましたら是非一度ご相談ください。

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